紙の上では、私が長い間、聞いたことのなかったような最悪の時計のアイデアのように聞こえる。全く訳が分からない – シルバーは、宇宙の歴史の中で、ダイバーズウォッチに最も適していない金属だ。ゲルマニウムとシルバーの合金であるアルゲンティウムのように変色に強いものもはかなりの確率で防ぐことができる。が、それでもせいぜい楽観的に言った場合だ。それに加えて、シースルーバックなのだ。私はどの価格帯の時計でもシースルーバックの大ファンで、初めて(恐竜が地球を支配していたような大昔に)買ったセイコー5ではローターが回転しているのを見て大興奮したものだが、ロレックスもチューダーもソリッドバックのメーカーだとどうしても思ってしまう(そう、ノースフラッグがシースルーバックであることも知っている)。それなのに、それなのにだ。

 私はこの時計に魅力を感じてしまった。ダイバーズウォッチはこうあるべきだという固定観念を意識的に排除しているので、逆に新鮮でオリジナリティが感じられる。また、見た目の美しさも魅力のひとつだ。もし誰かにこの時計のアイデアを売り込まれたら、すぐに却下していたかもしれない…チューダーがそうしなかったことに感謝するし、(シルバー製の)実機が見たくてたまらないのだ。スターリング(=一級品)の評判に値しないなんて言う人がいるだろうか?

 ここで他に何を選べばいいというのか? ロレックスは探検の旗手であるエクスプローラーをツートンカラーにした(36mmで!)。今回の発売で最も話題になったと言っても過言ではないこのツートンカラーのロレックス エクスプローラーは、ロレックスの中でも最も衝撃的なモデルと言えるだろう。その存在を知ってから、私はプレスリリースの画像を見返していた。見ていて飽きない要素がたくさんあるのだ。最も注目すべきは、ブラックダイヤルにイエローゴールドのコントラスト。そして、YGで囲まれたインデックスや数字が、このモデルの特徴だ。私がツートンカラーを擁護し続けるのは自虐ネタに近いとは思うが、私は私でなければならないのだ。嫌う人はたくさんいるようだが、これはロレックスの中では非常に興味深いモデルであり、良い感じにエイジングしていくことだろう(誰がそんなことを予測できるのか)。ツートンのエクスプローラーを擁護するのは私一人しかいないようなので、このモデルを“ダニー・ミルトン”と名付けることに一票を投じよう。誰か賛成してくれる人はいない?
 

 私は実際にはどの時計も嫌いではない。嫌いという言葉は強烈だ。彼らは時計だ。嫌うべきではないし、それを愛する自分自身をも嫌うべきではない。とはいえ、パネライが時計にリサイクル素材を使用することを促進するために6万ドルを請求するというアイデアには、あまり賛同できない。私の考えでは、このような慣行の標準化を目指すのであれば、この時計をもっと身近なものにするのが理にかなっていると思うのだ。このような不条理は嫌うべきだが、私はこの時計のデザインを愛している。見た目がいい。そして、値段に関わらず、地球を救うことは重要なのだ。

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